報告 建築士業務の「紛争・処分・保険事例」の解説講習会(有料)について
2015年01月09日業務
11月28日(金)建築士業務の「紛争・処分・保険事例」の解説講習会が開催されました。
建築基準法及び建築士法の改正では、一層の厳罰化が図られるようになり、設計・工事監理を独占業務とする法定資格者である建築士に、法令遵守の責任が厳しく問われるようになりました。
弁護士大森文彦氏の講演「建築士の責任と義務」では法的責任である民事責任、刑事責任、行政処分とは何であるかの解説からはじまり、公法と私法は何であるか、憲法、行政法、刑法は公法であり国家と国民の刑事責任である。民法や商法は私法であり、国民同士の関係で負う私法上の民事責任である。建築基準法は公法であるので国家と国民の刑事責任及び行政処分の法的責任が生じる。一つの行為に対し、様々な法的責任が生じることに十分留意する必要がある。民事責任としては、契約責任と不法行為責任が重要である。契約責任は、契約した者が相手に対して負う責任である。不法行為責任は他の国民に対する責任である、国民は他の国民の権利や法的利益を侵害しないように注意する義務を負っている。という内容の法的責任のあらましが分かり易いお話でありました。
続いて建築士業務の紛争事例の解説を後藤氏、保険適用事例の解説を山中氏、建築士処分事例の解説を峰政氏によってなされました。参加者はうなずきながら真剣に講師の解説に聞き入り、学びの多い講習会でした。建築に係る紛争は多様化するとともに増え続ける傾向にあるので、今後も紛争事例等を学ぶことが重要であることを感じました。
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業務委員長 伊藤 裕一 |